山岳渓流でのフライ・フィッシング

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夏のイワナ釣り:下流から上流に釣りがります。


flyfishingの服装 渓流での釣りではウエーディング・シューズが必須です。長靴では危険です。

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川俣川東沢の渓流 魚を取り込むために、背中にはランディング・ネットを背負っています。

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5月初旬:川俣川東沢にて

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18センチ程度のイワナです。テレストリアル系のドライ・フライに飛びつきました。フライはすべて自作です。flyfishingはスポーツ・フィシングなので、キャチ・アンド・リリースが基本です。少なくとも、18センチ以下の魚はリリースしましょう。食べたいのならば、頑張って25センチ以上のイワナを釣りましょう。

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フライを食べた岩魚:長野県南乗鞍にて

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湖でのフライ・フィッシング
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渓流でのフライ・フィッシングと湖でのフライ・フィッシングでは、タックルに大きな差があります。flyの種類も異なります。 fly_1.JPG

3月、芦ノ湖にて:マスが食いました


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3月、芦ノ湖にて:マスが食いました

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フライ・フィッシング講座:自然観察
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フライ・フィッシングは自然観察から始まる。フライ・フィッシャーは自然を愛する人でなければいけない。これは私の信念である。渓流にたどり着いて、最初にフライを結ぶときは、まず、私がここにいることを自然(神)に感謝し、どのような虫が周辺に生きているのかを良く観察する。

フライ・フィッシング講座:ファッション


フライ・フィッシャーのいでたちは通常のエサ釣りの人たちとは相当異質なファッションをしている。必ずと言っていいほど、夏なのに、チェストまで身体を覆うレインコートのようなもの(ウエーダーと言う)を着ている。これは川の中を歩いて遡上するために必要となる。股下程度くらいの深さの川ならば何とか歩ける。そして、フライボックス、ドライ・リキッドビン、カッターやシザースなど色々な小道具がついて膨らんだベストを着ている。背中には、必ずといって良いほど、魚を取り込むためのランディング・ネットが背覆われている。吊り上げた魚はほとんどの場合、リリースされるので、吊り上げた魚を入れておく籠は持っていない。

フライ・フィッシング講座(独断と偏見に満ちた話)

フライ・フィッシングとは何か

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初春のイワナ

フライ・フィッシング(flyfishing)はイギリスが発祥の地である。日本では、昔から(職業としての釣り師が用いた)テンカラと呼ばれる釣り方があり、これがフライ・フィッシングと非常に似ている。テンカラは毛鉤といわれる人工の模倣えさを水面上で遊動させて岩魚(イワナ)などを釣る方法である。

 フライ・フィッシングが日本で大衆的に認知されるようになった契機は、若かりし頃のブラッド・ピットが主演した映画「リバー・ランズ・スルー・イット」であると言われている。この映画の中で、ブラッド・ピット兄弟が渓流で美しいループを描くフライラインのキャスティング法、そして大きなマスを釣り上げているフライ・フィッシングの光景に多くの聴衆は大きく驚き、強烈な印象を持った。

 フライ・フィッシングは、フライラインとロッドの弾力性エネルギーを利用して、釣り人が作ったフライ(fly、人工的な毛バリ)を魚が遊泳している場所に投げて、魚をだまして捕食させる釣りである。魚をだまして捕食させるという意味では、ルアー・フィッシングと同じである。が、ルアーと異なるのは、擬似餌がフライと呼ばれるものであり、フライそのものには(フライとはハエのことだから)重さがないことである。つまり、重さのないものを遠くに飛ばすには、それなりの工夫が必要である。その工夫がフライラインを用いることである。フライラインの重みとロッドの曲げエネルギーを利用して遠くに投げる。これが、フライ・フィッシングには技術的訓練が必要となるゆえんである。ちなみに、ルアー・フィッシングでは、ルアー(lure、元の意味は誘惑すること)を使用して、魚を誘惑して誘い出して、ルアーについている針に魚を掛けて釣る。ルアーは(ワームを除けば)基本的に金属製あるいは一部プラスチックでできており、錘の役割を果たしている。

  フライ・フィッシングの醍醐味はルアーやエサ釣りとは以下の2点で大きく異なると私は思っている。フライ・フィッシングの基本的な釣り方は、フライ(毛ばり)を水面上に自然に流して、魚がこのフライに食い付く様を見ながら魚をフッキングすることである。つまり、魚が自分の流しているフライに食い付く瞬間を見ることができる。この瞬間はまさに言いようのない瞬間である、エサ釣りやルアー釣りでは経験することができない。

 フライ・フィッシングの楽しみの大きな喜びは、フライを釣り手自らが作成することにある。もちろん、完成フライは専門店に行けば買うことができる。しかし、自分が使用するフライを自らが作成することに真の喜びがある。岩魚がフライに飛びついたあの瞬間を思い起こしながら、こんなフライならもっと岩魚が喜んで食うだろうと予想しつつ、フライを手作りすることは無常の喜びをもたらす。例えば、夏の岩魚が喜んで捕食するフライはムネアカ・オオアリであるが、このムネアカ・オオアリも様々な変形パターンが構想できるので、自らのオリジナルなパターンを創作できる。

フライ・フィッシング講座:タックル
 フライ・フィッシングの基本的な道具は、ロッド(サオのこと)、リール、バッキングライン、フライライン、リーダーシステム(リーダー&ティペット)、そしてフライである。


 バッキングラインはなぜ必要なのか?フライラインは長くはないので、魚が遠くに走ったとき、長さが不足して困るので、また別の機能としては、フライラインに巻き癖がつかないためにも、フライラインを巻く前にリールにバッキングラインを巻いておく必要が生じる。バッキングラインはフライラインの下巻き用と考えればよい。
 フライラインは錘の役割を果たすので、太いから、フライラインにフライを直接結ぶことができない。だから、フライラインの先に、エサ釣りでいう道糸とハリスの部分に相当する細いナイロン製の糸を接続する必要がある。これがリーダーシステムと言われるもので、まずフライラインにテーパーのついたリーダー(先端に行くほど細くなっているナイロン製糸)を接続し、更にティペットと言われるきわめて細いナイロン糸をリーダーの先端に接続する。フライはこのティペットに結ぶ。
 ロッドとフライラインは、釣りをする河川の種類、湖、海に応じて、その太さと硬さが異なる。ロッドの種類は1番、2番(#1、#2、#3・・)と言うように番数で表示されている。番数が大きくなるに連れて、硬くなり、長くなる。渓流でイワナなどを釣るときは、3番のロッド、湖でトラウトを狙うときは、7番、8番と言うようになっている。フライラインもこれに対応して、#1、#2、#3・・・と番数で種類が区別されている。通常、ロッドの番数と同じ番数のフライラインを使う。
 リーダーとティペットにも太さに応じて、1x、2x、3x、・・・という番号が振ってある。番号が大きくなるにしたがって、細くなる。ちなみに、私が渓流で神経質なイワナを釣るときは、6x、7xのリーダーと7x、8xのティペットを使用している。

フライ・フィッシング講座:渓流用フライ

 

以下では、ドライ・フライの種類を説明しながら、自作のフライを紹介します。


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CDCダン:春の時期に使用される
フライの種類は6000種類を下らないとさえ言われている。が、基本的な分類は、水面に浮かせて釣るか、水面下に沈ませて釣るか2種類である。私は水面に浮かせて釣ることが好きなので、水面に浮かせるフライについて説明したい。浮かせて使うタイプは、基本的に、水生昆虫を模倣したものと陸生昆虫を模倣したものに分類できる。水生昆虫を模倣したタイプを狭い意味でのドライ・フライと言い、陸生昆虫を模倣したタイプをテレストリアルと呼ぶ。
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Caddis:通年を通して使用される

ドライフライは水生昆虫のメイフライ(カゲロウ)とカディス(トビケラ)を主に模倣している。テレストリアルで模倣される陸生昆虫はアント(アリ)、インチワーム(毛虫)、ビートルなどです。メイフライが使用される期間は、その名の通り、主として春である。初夏から秋までは、主に、テレストリアルになる。カディスを模倣したドライ・フライは通年にわたって使用されている。(渓流は10月から禁漁期間に入ります。)
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ローヤル・コーチマン:初夏の頃から用いられる

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ムネアカ・オオアリ:イワナの大好物で、主に夏季に使用される
このフライにウイングを付けて、腹の部分を少し細くして使用すると、良く釣れます。

以上

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